『目標設定で行動が変わる』

春の気配もようやく整い 心浮き立つ今日この頃 お変わりなくご活躍のこととお喜び申し上げます。

さて、タイトルにある『目標設定で行動が変わる』について、本日うちの事業所から一般就労を目指し『移行支援』を利用する為に卒業された方のことを書いていきたいと思います。

まず『移行支援』とか知らないよ？という方の為に、ざっくりとご説明します。

就労系の種類には大きく分けて３種類あります。

一つ目は、うちの事業所が行っている就労継続支援A型。こちらは、会社と利用者さんが雇用契約を結びいずれ一般就労を目標に働く場所です。”週５日の４時間等”決まった所定時間を働かなければなりません。毎月の収入面では給与という形で月に７万円前後～から頂けます。

二つ目は、就労継続支援B型。こちらはA型とは違い雇用契約等は結ばずに、”週１回～の利用”で作業ができます。ここでもいずれは一般就労であったり就労継続支援A型の利用を目標にします。毎月の収入面では作業工賃として３万円前後～から頂けます。

三つ目が、今回ご紹介する『就労移行支援』になります。こちらはA型やB型とは違い一般就労するために必要なスキル向上や生活リズムを整えるなどを目的に実施していきます。基本的に収入はありません（一部の事業所では生産活動を作業としておこなってもらいＢ型同様作業工賃の支払いがあります）。ここで注意してほしいことは、この支援は原則トータル２年間の”一度きり”しか利用できないサービスなのです。なので、本当にこの２年間っていうのが大切な期間になり、就労系サービスに中で一般就労に最も近い位置付けの支援サービスになっております。

これを踏まえて、今日の本題に戻ります。

本日卒業された利用者さん（名前は個人情報なので以下Ａさん）は、この移行支援を使って一般就労を目指す決断をされました。

Ａさんの選択肢としては、就労継続支援Ａ型を利用し収入を安定させながら一般就労を目指す。または、収入はなくなるが移行支援を利用しこの２年間で本気で一般就労を目指す。

選択したのは後者になりますが、これをＡさんと客観的に考えるのではなく主観的に考えてみたときに皆さんはＡさんのような選択ができますか？

僕ならＡ型を利用して”ゆっくり”一般就労を探そうかな～。なんて思ってしまいます。

だって収入がなくなるし、本当に移行支援を利用して一般就労できる保証なんてどこにもないのだから、今の生活だってあるしそんな博打のような選択はできない。が本音です。

でもＡさんは違います。

うちのＡ型を利用する前から、『目標設定が明確』でした。

深い想い等は個人情報なので書けませんが、

僕は、

『これがしたい』

というものをしっかりと持っていました。

日々、Ａさんと関わっていくことに自らあちこちの情報を集め自分なりに足りないもの、

今すべきこと課題等に取り組まれていました。

そんなある日の事、Ａさんから相談されたのが移行支援の利用を検討しているとのこと。もちろん移行支援というものの説明をし、生活状況の把握をし収入は大丈夫？等総合的にアドバイスはさせて頂きました。

それでもＡさんの気持ちは変わりませんでした。

そこには『明確な目標設定』があり、なりたい自分を本気に追っているAさんがいました。

この福祉という現場にいると、『無理なく生活しましょう』とか『まずは安定させて～』とか良く耳にしますが。その支援が本当に本人にとって良いものなのか改めて考えさせられました。

もし失敗したら、また挑戦すればいいだけのことで。そんな”もしも”より、なにより大切なことは『明確な目標を持っている』かです。

この目標とは、”いつまでに何に取り組み、何を学ばないといけないのか”それを明確にすることです。

勘違いしてはならないことは、ざっくりとした長期目標や短期目標ではありません。

Aさんの考えの中でこのざっくりした期間はなく、いつまでに『私はこうなる』という目標があるからこそ選択肢に"ブレ"がなく今の行動が明確になるんだと思いました。

この選択はすごいし、本気で叶えてほしいなと応援しております。

今一度皆さんの目標を再認識し、今年は何をしたいとかざっくりしたものではなく、いつまでに何をする等明確に設定し、その目標の為に今何をしなければならないのか考え、今の行動を変える機会をもってみてはいかがでしょうか。未来の理想の自分は『今日の積み重ね』でしかないです。

Aさんから「ここで働けて良かったです」と言われたとき、めちゃくちゃ嬉しかったです。またどこかでお会いできること心から楽しみにしております。

本当にありがとうございました。

『目標設定で行動が変わる』

土屋